負の超らせん状態下でのSV40ラージT抗原 (SV40複製開始とDNAヘリカーゼの機能を合わせ持つ複製因子) によるDNA鎖巻き戻し反応の直接観察を試みた。実験の結果、SV40ラージT抗原によってSV40複製起点から複製が開始され、巻き戻されたDNAの1本鎖領域を直接観察できること、負の超らせん密度の増加がSV40oriからのDNA複製反応の開始の効率を上昇させること、さらに、引き続くSV40ラージT抗原によるDNA鎖巻き戻し反応促進することを明らかにした。これらの結果から、負の超らせんがDNA複製開始の制御に重要な役割を果たしている可能性があることを示すことに成功した。
|