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2016 年度 実施状況報告書

金属耐性に関わる輸送体膜タンパク質の構造基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K06972
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

田中 良樹  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (10632333)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード構造解析 / 膜タンパク質 / 輸送体
研究実績の概要

初年度の時点で,サンプルの大量発現および精製方法の確立と結晶化スクリーニングにより予備的な結晶の作製を行っていた.二年度目では,得られた結晶を用いて大型放射光施設での回折実験を行った.複数の条件の結晶で回折像を取得したが,いずれも極度に異方性があることが分かり,構造決定には至らなかった.そこで,結晶パッキングの改善を狙って,抗体(Fab,Fc)を結合させる方法をとることにした.発現ベクターに抗体認識配列を付加,融合タンパク質として大量発現させ,精製後に抗体と混合して結晶化サンプルとした.抗体複合体状態での結晶化を行ったところ,針状の結晶を得ることが出来た.これについて放射光施設での回折実験を進めた結果,予備的な低分解能データを得た.抗体構造を用いた分子置換を試したが,解は得られなかった.異方性の問題は改善されているため,抗体複合体での結晶化リファインを進める他,重原子との共結晶も試して構造決定のための準備を進めた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度の段階で得られた結晶を用いて大型放射光施設での回折実験を行った.複数の条件の結晶で回折像を取得したが,いずれも極度に異方性があることが分かり,構造決定には至らなかった.そこで,結晶パッキングの改善を狙って,抗体を結合させる方法をとることにした.発現ベクターに抗体認識配列を付加,融合タンパク質として大量発現させ,精製後に抗体と混合して結晶化サンプルとした.抗体複合体状態での結晶化を行ったところ,針状の結晶を得ることが出来た.これについて放射光施設での回折実験を進めた結果,予備的な低分解能データを得た.抗体構造を用いた分子置換を試したが,解は得られなかった.異方性の問題は改善されているため,抗体複合体での結晶化リファインを進める他,重原子との共結晶も試して構造決定のための準備を進行中である.

今後の研究の推進方策

本年度は,引き続き結晶構造解析を進める.抗体複合体結晶を使って回折実験を行い,データ収集を行う.位相決定は,第一に抗体構造を利用した分子置換である.また,解析対象が金属輸送体であることから,金属親和性が高いと期待されることを利用し,重原子との共結晶化による異常分散を利用した位相決定も可能なように測定を行う.構造決定に成功次第,変異体解析など構造に基づいた解析を行って,論文にまとめて発表する.

次年度使用額が生じた理由

論文投稿や学会等での発表にまで進まなかったため,旅費や論文作成に関わる諸費用が予定していたものよりも少なくなった.また,タンパク質の結晶化を促進するための抗体の作製を考慮していたが,既存の抗体と抗原タグの組み合わせによって結晶が得られたため,費用が少なくなった.

次年度使用額の使用計画

結晶化温度検討をより詳細に行っていくために,恒温インキュベーターの複数機導入を計画している.構造決定までには更なる結晶の量産が必要であると考えられるので,精製に使用する試薬や結晶化消耗品が必要である.成果がまとまり次第,論文化し,成果発表を行うための学会参加費用などに使用する.

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公開日: 2018-01-16  

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