大腸菌の外膜と内膜のエネルギーの伝達を担う内膜プロトンチャネルExbB-ExbD複合体のX線結晶構造解析から、ExbBの6量体のリング状構造を決定した。また、クライオ電子顕微鏡の単粒子解析によりExbB-ExbD複合体は、2つの状態をとることがわかった。1つはExbBの6量体にExbDの3量体が取り囲まれた状態、もう1つはExbBの5量体とExbDの単量体からなる状態であり、5量体の構造はイオン透過活性が低下する低いpHで多く形成され、逆に6量体の構造は、高いpHで多くなることが明らかになった。本研究から、ダイナミックな形態変化によるイオンチャネルの活性制御という新しい現象が明らかになった。
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