膜タンパク質である筋小胞体Ca2+-ATPaseの機能が周りの脂質環境にどのような影響を受けるか評価するため、Ca2+-ATPaseを直径10nm程度の小さな脂質2重膜であるナノディスクに組み込んだ標品(CND)を作成した。作成した標品を用いた解析により、Ca2+-ATPaseは周りの脂質環境との間の立体的及び静電的な相互作用によって、様々な影響を受けることを定量的に示すことができた。また、Ca2+-ATPaseの機能に膜の表面電荷自体の影響があることを示唆する結果が得られた。これは他の膜タンパクの機能、あるいはその制御について理解する上で非常に重大な知見である。
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