分泌経路上のすべての膜タンパク質はまず小胞体膜に挿入され、その後適切な膜系へと輸送される。主要な膜挿入経路として膜透過装置トランスロコンによる翻訳と共役した経路がある一方、C末端近傍にシグナル配列を持つ膜タンパク質は膜挿入前に翻訳が完了してしまうため、トランスロコンでは膜挿入できない。本研究ではこのような翻訳の速度論的制約下にある膜タンパク質の膜挿入機構を解析した結果、2つのペルオキシソーム形成因子PEX19とPEX3が協調して膜変形タンパク質を翻訳後に小胞体膜へ挿入していることを明らかにした。また、テイルアンカー型タンパク質の翻訳後膜挿入を調節する新規小胞体膜タンパク質を同定した。
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