本研究では、新規のガス応答性因子として同定した膜タンパク質タンパク質PGRMC1の構造的機能制御の解明を行った。X線結晶構造解析により、PGRMC1はチロシン残基のヘム配位によって、突出したヘム同士が重なり合った特異な重合体構造を形成することを見出し、生体内ガスCOがこの重合が解離してPGRMC1の機能を阻害することを見出した。PGRMC1はがん細胞内のヘム濃度に応答して重合化することにより活性化し、がん増殖に関わるEGFRと会合してがん増殖シグナルを増強するという、ダイナミックな構造変換によって機能することを明らかとした(Nature Commun 2017)。
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