細胞内の蛋白質分解は、蛋白質の機能・寿命・品質を管理する。Lonプロテアーゼは、細菌細胞質や真核細胞オルガネラにおける蛋白質分解を担っており、蛋白質分解の一連の過程を単一分子内で行う点に特徴がある。本研究では、Lonプロテアーゼについて、X線結晶構造解析をはじめとする構造解析、並びに酵素学的性状の解析を通して、詳細に検討した。その結果、Lonの機能が、従来知られていなかった、ダイナミックな構造変化を通して、多層的・段階的に調節されていることが明らかになった。この結果から、細胞内蛋白質分解の普遍的メカニズムの理解するとともに、感染症治療といった応用展開も期待することができる。
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