研究課題/領域番号 |
15K07022
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢島 潤一郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00453499)
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研究分担者 |
須河 光弘 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (80626383)
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研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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キーワード | キネシン / ncd / 微小管 / 分子モータータンパク質 |
研究実績の概要 |
微小管上をプラス端方向に移動するキネシン-1とマイナス端方向に移動するキネシン-14とのキメラタンパク質の運動観察により、微小管上を運動する方向を決定する部位の特定が試みられてきた。しかしながら、キメラキネシンの種類数が限られていたことなどから、運動方向決定部位の共通認識には至らず、キネシンが微小管上で運動方向を決定する分子機構は未だ解明されていない。そこで本申請研究では、構造的な基盤に基づき単量体型キメラキネシンをデザインして、大腸菌内で発現させ、精製し、キメラキネシンの運動方向を検証することによって、キネシンの運動方向を決定する分子機構を明らかにすることを目指した。本年度は主に、1)昨年度から引き続き、キネシン-1とキネシン-14のネックやネックリンカー部位を入れ替えたキメラキネシンのDNAコンストラクトを網羅的に作成し、可溶化条件などを検討し大腸菌内で発現させ、精製を行った。2)前年度に開発した運動計測系で運動方向が逆転するようなキメラキネシンを少数分子のチームとして運動測定を行った。1)で得られたキメラキネシンの運動と構造の定量結果とを合わせ、キネシンの運動方向を逆転させるためには、従来の運動方向を決定するモデルとは異なり、ネックとモータードメインの相互作用だけではなく、モータードメインとC末端ネックミミック領域も関与していることがわかった。さらに、2)の実験結果などから、キネシンモーターコア領域は微小管のプラス端方向に運動するキネシン分子に共通する分子機構を持つ可能性を提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画で掲げていた、単量体型キメラキネシンを作成して、運動方向を決定する分子機構の一端を解明することにおいて、予定通りの成果が得られ、投稿論文の発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
微小管上でのキメラキネシンの運動方向を逆転させる分子機構と、キネシンファミリーに属するキネシンに共通した運動方向を制御する分子機構との関係性を探る。キネシンファミリーに属する多くのキネシンにおいて運動測定を行い、微小管のプラス端方向への運動方向を決定する部位を同定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究目的の一つを達成したが、投稿論文への公表に時間を要し、他の研究が想定より遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
技術補佐員を雇用することで、昨年度に実施できなかったサンプルの調整及び得られた運動計測のデータの解析を行う。
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