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2016 年度 実施状況報告書

細胞間コミュニケーション可視化のための新規発光性プローブの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K07040
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

齊藤 健太  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60374659)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード細胞生物学 / 機能性バイオプローブ / バイオイメージング
研究実績の概要

前年度は、分子間BRET(bioluminescence resonance energy transfer)を利用した発光性のシナプス可視化指示薬の開発に取り組み、神経細胞への導入条件を検討した。本年度は指示薬の汎用性を高める観点から、発光性だけでなく蛍光性の指示薬開発に取り組んだ。シナプス前、後膜それぞれに特異的に局在するニューロリジン(NLG)、ニューレキシン(NRX)を蛍光分子と融合させた。この指示薬をそれぞれ発現した293細胞同士が密着した部分で作る擬似的なシナプスでのシグナルを確認できた。
次に、単離したマウス胎児海馬神経細胞に上記の指示薬をそれぞれ発現させ、神経細胞同士が形成するシナプスを観察できるかどうか試みた。結果的に、2種の神経細胞間がシナプスを作る領域にシグナルが観察できた。ここで、観察されたシグナルが本当にシナプスに由来するかどうかを確認する必要がある。そこで、神経シナプスマーカー(シナプス前膜:シナプトフィジン、シナプス後膜:ホーマー1)との共発現を行った。結果として、観察されているシグナルとこれらシナプスマーカーが共局在しているのが確認できた。
遺伝子導入は当初はエレクトロポレーションにて行ったが、高発現している細胞では擬似シグナルが発生しやすいことがわかった。そこで、発現量を一定にして真のシグナルだけを観察しやすくするため、アデノウィルスベクターを作成する予定でいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

発光性だけでなく蛍光性の指示薬開発を着手したため、指示薬最適化のための時間を十分に取れなかった。しかしながら、最初の試みで神経細胞でシナプスの箇所にシグナルが順調に観られたことについては想定以上の成果であり、計画は順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

今後は、超解像顕微鏡や電子顕微鏡などを利用したシナプスの確認を予定している。また、観られたシグナルの箇所が、機能的なシナプスかどうかの確認も行う予定である。また、機能的シナプスであることを確認したのちに、シナプスの形成・消失を「可逆的に」観察可能であるかどうかを、タイムラプス観察などを通じて調査する予定である。さらに、単離した培養細胞だけでなく、海馬スライスカルチャーや動物に発現させて、より生体に近い環境での観察を行う予定でいる。

次年度使用額が生じた理由

発光性だけでなく蛍光性の指示薬の開発を開始したため、当初予定していた予算を消化することなく今年度の研究を遂行することができた。

次年度使用額の使用計画

次年度予定に記載したとおり、1)超解像顕微鏡や電子顕微鏡などを利用したシナプスの確認、2)シグナルの箇所が機能的なシナプスかどうかの確認、3)シナプスの形成・消失を「可逆的に」観察可能であるかどうかを、タイムラプス観察などを通じて調査、4)より生体に近い環境(動物など)での観察、に使用する。

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公開日: 2018-01-16  

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