importinβファミリー蛋白質は核-細胞質間輸送因子であり、多くの核蛋白質の核-細胞質間移行を媒介する。本研究では、安定同位体標識と試験管内核輸送系を応用したSILAC-Tp法により、ヒト細胞で細胞質から核内への輸送を担う12種のimportin(核内輸送因子)の基質蛋白質を大規模同定した。その結果の生物情報解析により、それぞれの輸送因子が基質蛋白質群の機能を介して関与する細胞内プロセスが明らかとなった。また、輸送因子-基質相互作用の特異性決定機構には予想外の多様性があることが示唆されたため、輸送因子2種の変異体と多数の基質蛋白質の結合解析により結合部位の多様性を検証した。
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