繊毛虫テトラヒメナには、1つの細胞中に大核(栄養核)と小核(生殖核)という機能と構造の異なる2つの核が存在する。我々は、大小核の核膜孔複合体の構造を研究し、膜貫通型の核膜孔タンパク質として、大核特異的なPom121と小核特異的なPom82が存在することを発見した。これらの核特異的な膜貫通型核膜孔タンパク質の分子機能を検討した。Pom121については大核分化過程での明確な役割を見出せなかった。一方、Pom82については栄養増殖細胞中での小核の位置決めに必須であることが分かった。この発見は、核の位置決めに核膜孔タンパク質が関与することを初めて明らかにしたものである。
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