有袋類は有胎盤類に比べて未熟な状態で生まれるが、母乳を飲むために顎が早く発生する。本研究の研究代表者は、顎原基形成に関わるSox9遺伝子が神経堤において早期に発現を始めることや、Sox9の神経堤エンハンサーに有袋類特異的な変異があることを示している。このエンハンサーの活性制御についてウズラ胚を用いて解析した結果、神経堤発生に重要なWntシグナルはエンハンサー活性に影響を及ぼさず、神経境界形成に働くMyb遺伝子が重要であることがわかった。一方、同様の解析をオポッサム胚/由来細胞でおこなうことを計画したが、全胚培養法の開発、iPS細胞や神経堤細胞を誘導する実験が不調に終わり、課題として残った。
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