本研究では,翅成虫原基内で隣接するpouch領域とhinge領域に着目し,pouch領域切除後,hinge細胞がどのようにしてpouch領域を再構築するのか明らかにすることを目指した.器官再生プロセスを発生と切り離して解析するために,erg2酵母を用いて蛹化を抑制した幼虫を用いた.Pouch領域に損傷を加えると,hinge領域を含む損傷部位周辺領域の細胞で細胞周期re-entryが起こり,細胞の形態を変えpouch方向へ移動する様が観察された.また,翅成虫原基で特徴的な発現パターンを示す Wingless の発現パターンが,損傷後約72時間かけて再構築されることを明らかにした.
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