研究課題
基盤研究(C)
申請者が現所属先へと異動となった後、熊本地震により動物管理施設が損傷を受け、遺伝子改変マウスの受け入れ等、計画した実験の遂行が困難となったため、マウスの胎仔卵巣を構成する生殖細胞と生殖腺体細胞の形成を共通で制御する分子機構の解明を目指して研究を進めた。我々は、始原生殖細胞と生殖腺体細胞の前駆細胞の両方の形成を制御する転写因子Six1とSix4を見出し、ポジティブフィードバック機構を介してそれぞれの運命決定因子の発現を制御していることを明らかにした。
発生生物学
マウスの胎仔卵巣を構成する2つの細胞系譜である生殖細胞と生殖腺体細胞は、その細胞数比が生殖細胞分化に大きな影響を与えるが、その形成を共通して制御する分子機構については知られていなかった。本研究により、転写因子Six1とSix4が、異なる発生段階と胚体内の場所で、それぞれの前駆細胞形成を制御するユニークな分子機構が明らかとなった。