光化学系IIは強光に対する感受性が高く、強光下で容易に失活する。この光阻害現象に、タンパク質合成系の構成成分である翻訳因子EF-Tuの酸化が関与することをシアノバクテリアで明らかにした。強光下で発生した活性酸素によってEF-Tuのシステイン残基が酸化すると、タンパク質合成が抑制されて光化学系IIの修復が阻害されることが示唆された。一方、細胞が強光環境に順化すると、光化学系IIの強光耐性が増大する。この強光順化機構にEF-Tuの発現促進が関与していることを見出した。強光順化の際にEF-Tuを介してタンパク質合成系が機能強化され、光化学系IIの修復能力が増大することが示唆された。
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