生殖器官の形成は生物種の存続に必要な重要イベントであり、その制御機構に興味が持たれる。植物の花粉は雄しべの葯の内部(葯室)で発達する。また、葯室内のタペート細胞からの物質供給により、花粉表面に柱と天井のような形状のエキシンと呼ばれる構造が形成される。本研究では、細胞の小胞輸送を行うタンパク質の遺伝子破壊により花粉ができなくなるという以前の研究知見をもとに、種々の小胞輸送関連遺伝子の花粉発達における機能解析を行った。その結果、AtSEC23AとAtSEC23Dの2つの小胞輸送因子がタペート細胞の分泌に働いてエキシン形成に寄与していることが明らかとなった。
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