排卵は受精可能となった卵母細胞が卵巣腔へと放出される過程である。この過程は、濾胞組織と卵巣最外層組織の分解を伴う組織破壊現象と捉えることもでき、毎日排卵するメダカの場合、排卵後、直ちに組織修復が開始され、さらに、卵巣内に残留した濾胞組織も迅速に分解され、翌日の排卵に備える必要がある。本研究では、迅速に進行するこの過程の分子機構を解明することを目的に研究を行った。その結果、卵巣開口部の修復にカドヘリンタンパク質の関与を示唆する結果が得られた。また、在留濾胞組織の分解にゼラチナーゼBやプラスミンが関与する結果を得た。今回の研究で得られた成果をもとに、今後も組織修復の分子機構の解明に取り組む。
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