細菌のペプチドグリカン(PG)合成遺伝子群の中で、MurE相同遺伝子は全ての陸上植物に保存され、葉緑体分裂と葉緑体分化に機能していた。これまで陸上植物の進化において、シダ植物から種子植物が登場する過程で、葉緑体分裂から葉緑体分化へと機能分化したと予測されていたが、ヒメツリガネゴケや裸子植物を用いた研究で、葉緑体分化型のMurEは少なくともコケ植物が分岐した時点で既に登場し、葉緑体分裂型MurEも裸子植物まで存在している可能性が推測された。また葉緑体分裂型MurEと葉緑体分化型MurEの機能に重要な変異箇所を絞ることができた。
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