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2017 年度 実績報告書

睡眠機能を調節する視床下部MCH神経回路の特定

研究課題

研究課題/領域番号 15K07140
研究機関東海大学

研究代表者

寺尾 晶  東海大学, 札幌教養教育センター, 教授 (10451402)

研究分担者 岡松 優子  北海道大学, 獣医学研究院, 講師 (90527178)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードメラニン凝集ホルモン / 長期記憶 / 新規物体認知試験 / 文脈的恐怖条件付け試験
研究実績の概要

メラニン凝集ホルモン(MCH)産生神経は、視床下部外側野(LHA)にその細胞体が局在しており、睡眠調節に関与することが明らかになっている。MCH神経と認知機能の関わりについてはまだほとんど報告されていないが、LHAからの主要投射部位に海馬が含まれること、睡眠と記憶という事象には関わりがあることから、我々はMCH神経が海馬依存性の長期記憶に対しても影響していると推察した。これを検証するため、Tet-offシステムにより、ジフテリア毒素A断片を発現させMCH神経を後天的に脱落させることが可能なトランスジェニック(TG)マウスを用いて、MCH神経の長期記憶に及ぼす影響を検討した。雄TGマウス16週齢に、ドキシサイクリン(Dox)無添加餌を4週以上給餌してMCH神経を98%以上脱落させたものをMCH神経脱落群、Dox添加餌を継続給餌したものを対照群とした。二群のマウスの長期記憶を新規物体認知試験と恐怖条件付け試験により評価した。物体を二つ並べた際の新規物体に対する接触率は、MCH神経脱落群が62.4%と対照群の52.1%に比べて有意に高かった。恐怖条件記憶後のすくみ行動発現率についても、MCH神経脱落群は21.7%と対照群の7.0%よりも有意に高い値を示した。また、不安行動の指標であるオープンフィールド試験と高架式十字路試験、痛みの知覚入力の指標となるホットプレート試験についても併せて評価を行ったところ、二群間での差はなかった。以上の結果より、MCH神経が脱落したマウスでは長期記憶力は対照群よりも良いことが明らかになった。MCH神経の活動はノンレム睡眠、レム睡眠時に高いことが報告されており、睡眠時の記憶形成抑制に関わっている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Progesterone dose-dependently modulates hepatocyte growth factor production in 3T3-L1 mouse preadipocytes2017

    • 著者名/発表者名
      Ito, T., Yamaji, D., Kamikawa, A., Abd Eldaim, M. A., Okamatsu-Ogura, Y., Terao A., Saito, M., and Kimura, K.
    • 雑誌名

      Endocrine J

      巻: 64 ページ: 777-785

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 睡眠とサイトカイン2017

    • 著者名/発表者名
      寺尾 晶
    • 雑誌名

      小児内科

      巻: 49 ページ: 1088-1091

  • [学会発表] Temporally Controlled Cell-Specific Ablation Of Melanin-Concentrating Hormone (MCH) Neurons Attenuate Non-REM Sleep In Mice2017

    • 著者名/発表者名
      Terao, A., Ueno, T., Okamatsu-Ogura, Y., Kimura, K., Tsunematsu T., and Yamanaka, A.
    • 学会等名
      31st Annual Meeting of the Associated Professional Sleep Societies

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公開日: 2018-12-17  

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