ニホンヤモリ種群の分類と系統を見直した結果,日本と台湾の暫定未記載種5種は,分子・形態の側面から独立種として見なされるべきことが確かめられた.一方,大陸で新たに2つの隠蔽種の存在が示唆された.種群全体にわたる系統解析の結果,本種群はベトナムや中国南部に起源し,北に分布域を広げながら多様化したと推定された.また,日本・台湾からなる東アジア島嶼域には多数の系統が並行的に侵入したと考えられた.九州で飛び地分布する種の種内系統地理解析の結果,そのような分布は遺存的なものではなく,最近の分散によって形成されたと推定された.
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