本研究は新生代に現れ、今も多くの種が棲む日本と周辺の貝形虫類(甲殻類)2科好冷性種について、現在の好適な生息環境条件、誕生と繁栄の歴史、多様化のきっかけとなった環境変動、種間の系統上の近縁関係推定を目的とし、北西太平洋縁の新生代の好冷性生物の初期相と分類学的多様性変遷史の解明を目指し、研究を行った。本研究は「化石の初出年代・生息環境の解明」と「ポア数解析法による種間の系統上の近縁関係の検討」を行い、過去2000万年間の古環境変動史の検討も合わせ、1科の1属の複数種について、北部太平洋における多様性変遷史の一部を議論できるデータを得た。今後はこれらを国内外の学会・学術雑誌で公表予定である。
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