研究課題
前年度までの研究で倍数性・生殖様式に関する情報が不足している分類群が把握されたことを受けて、メシダ科(ホクリクイヌワラビ、ミヤマヘビノネゴザ、ニセコシノサトメシダ、コウライイヌワラビ、 ムクゲシケシダ、ヒュウガシケシダ、コウライイヌワラビモドキ、リュウキュウイタチシダ、コバヤシカナワラビ、イイノカナワラビについて、一部は現地での材料収集を行い、これまで知られていなかった染色体数・生殖様式を確認して報告した。コケシノブ科アオホラゴケ群については、2・3・4倍体の日本列島での分布がほぼ把握され、北方型2倍体と南方型2倍体およびそれらの交雑に起源する異質倍数体の存在が明らかになり、2倍体と4倍体の交雑起源と推定される3倍体が広域に分布していることも明確になった。イノモトソウ科オオバノハチジョウシダ群と、オシダ科オニヤブソテツ類については、明らかになった生物学的実体と一致するように、分類の改変を行った。前者については、有性生殖型をオオバノハチジョウシダ、無融合生殖型をオオバノアマクサシダと再定義した。後者については、学名が正式に発表されていない状態であった北方型2倍体と南方型2倍体を、それぞれ亜種ヒメオニヤブソテツ、ムニンオニヤブソテツとして正式に記載した。定義を改めた。日本産の全野生種について、海外産の同種で報告されている倍数性・生殖様式の情報を収集し、国内のものと異なる性質が海外産同種で報告された事例をまとめて公表した。
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Bulletin of the National Museum of Nature and Science, Series B
巻: 44 ページ: 23-30
Phytotaxa
巻: 314 ページ: 73-80
http://dx.doi.org/10.11646/phytotaxa.314.1.5
巻: 43 ページ: 19-25