絶滅危惧種ヒョウモンモドキの遺伝的多様性や分集団間のgene flowを把握することを研究目的として、部分ゲノム解析を行なった。日本チョウ類保全協会が保存している野生集団及び飼育集団(ハウスサンプル)のサンプルを材料として、近縁種のショットガン配列との相同性が高い領域の一塩基多型が1388座位、得られた。この遺伝マーカーを用いて集団構造解析を行ったところ、ハウスサンプル毎に遺伝的分化が進んでいることが示された。飼育繁殖個体の野外放蝶では、特定のハウスから大量の個体を導入するよりも、各ハウスから一定数の個体を導入するほうが、野外集団の遺伝的多様性を維持するうえで望ましいと結論づけられた。
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