研究実績の概要 |
次世代シーケンサーのRAD-seq(Hi-seq2000)を用いて、ミヤマニガウリの野生個体(岐阜、福井、新潟で採集したオス29個体、両性30個体)のSNPsの情報を解析した。合計129,464,533リード、1個体あたりの平均で2,194,314リードの塩基配列データが得られた。総RAD-seqは6,602,691,183bpで1個体あたりの平均は111,910,020bpであった。1塩基あたりの読み取り回数は平均35.86回であった。総contigs 数は1,019,471、そのうち323,449のcontigでSNPsデータが得られた。アダプター配列とクオリティの低いリードを除去したのち、Stacks解析に用いられたのは、Hi-seq2000によって得られたリードの約31%にあたる合計36,013,440リードで、1個体あたりの平均は610,397リードであった。stacks処理により、用いられたリードは286,682のcontigsにまとめられ、そのcontigs中に23,962のSNPsが得られた。 これをcontigごとにヘテロ接合とホモ接合としてカウントし、両性個体とオス個体で比率が有意に異なるものをカイ二乗検定で判別したところ、8つの候補が得られた。さらに、データを詳細に検討した結果、ID10116という座位で明瞭な結果が得られた。この座位にはAまたはGの塩基を持つSNPがあり、両性個体はすべてGのホモ接合、雄個体では8割がGとAのヘテロ接合で残りの2割がGのホモ接合であった。 この結果は次年度以降の解析に用いることのできる性特異的マーカーであり、さらにミヤマニガウリの性決定システムが、オスヘテロであることを強く示唆しているものである。
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