研究実績の概要 |
本年度は、1)野外個体の成長に伴う窒素含有率の変化の性間での比較、おおび2)野外集団での雄個体と両性個体の花粉成功の比較、を試みた。1)に関しては、福井県大野市の集団で雄および両性を約30個体づつ、計3回(6月23日、8月28日, 10月1日)サンプリングした。これを学内の岐阜フィールド科学教育研究センターのCNコーダーで分析する予定で試運転を行なったところ、機器に不調が見つかったため分析できなかった。2)に関しては、果実形成期に福井県大野市、岐阜県高山市、新潟県十日町市の3集団で、各個体の葉、および両性個体の果実を採集した。この父親推定をおこなうためのマイクロサテライトマーカー開発も並行して進めた。今年度新たに研究分担者がGS Juniorでのシーケンスを行ってマイクロサテライト領域を検索し、約30のプライマーセットを設計した。さらに研究代表者は2年前に行なったRad-seqのシーケンスデータを用い、マイクロサテライト領域を検索し設計を行った。この方法では両側にプライマーを設計するには配列が短すぎるため、ゲノムウォーキングを行って一方のフランキング領域をシーケンスした上で反対側のプライマーを設計した。ただしいずれの方法でも多型評価に時間を要し、野外で採集した種子を用いての解析に間に合わなかったため、雄個体と両性個体の花粉成功の比較には至っていないが、採集した葉を多型評価に用いて進めている。
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