• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

日本の淡水カメ相の遷移に関する研究 岡山平野を例にして

研究課題

研究課題/領域番号 15K07233
研究機関岡山理科大学

研究代表者

亀崎 直樹  岡山理科大学, 生物地球学部, 教授 (50422366)

研究分担者 源 利文  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特命助教 (50450656)
高橋 亮雄  岡山理科大学, 理学部, 准教授 (50452967)
鈴木 大  九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センター, 助教 (90647489)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード外来種 / カメ / 遷移 / 岡山
研究実績の概要

平成27・28年度に岡山県の湖沼および河川で淡水性カメの捕獲調査を行い、大陸からの外来種と考えられるクサガメ1217個体、北米から移入されたミシシッピアカミミガメ498個体、在来種であるニホンイシガメ24個体、他にイシガメとクサガメの雑種と思われる4個体を捕獲した。岡山県におけるアカミミガメの割合は隣接する兵庫県などに比べると高くはないが、倉敷市、岡山市笹瀬川流域。瀬戸内市などにアカミミガメの高密度生息域が確認され、海側から徐々に分布が広がっている様が伺われた。この原因として、海に流されたものが瀬戸内海を介して広がったのではと考え、瀬戸内海に面する兵庫、岡山、香川および関係のない佐賀、静岡のmtDNAを調べたところ、すべての地域で多様なハプロタイプが見られこの仮説は証明できなかった。
一方、79ヶ所の池の水から、浮遊するイシガメとアカミミガメの環境DNAを調べた。イシガメの環境DNAは1ヶ所で確認されたがそこでイシガメは捕獲されなかった。また、アカミミガメの環境DNAは5ヶ所で確認されたが、内4ヶ所で個体が捕獲された。実際にイシガメの個体が捕獲されたのは9ヶ所あったがそれらではイシガメの環境DNAは検出されなかった。さらに、アカミミガメの個体が確認されたのは25ヶ所であったが、そこで実際にアカミミガメの環境DNAが検出されたのは4ヶ所であった。このように現在の手法では環境DNAから生息するカメ種を推定するには無理があることが確認された。
また、遺跡の骨格残骸の分析は新たな展開をもたらした。イシガメの骨格残骸を権現山岩陰遺跡(高梁市、縄文遺跡)と草戸千軒遺跡(福山市、室町遺跡)等で確認した一方で、クサガメも草戸千軒遺跡、恩地遺跡(東大阪市、弥生時代から古墳時代中期)、帝釈観音堂洞窟遺跡(広島県神石町、縄文時代)で発見し、本種の導入年代に関し改めて検証する必要性を確認した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

捕獲による分布調査、環境DNAによる分布調査の技術開発、骨格遺骸による過去の生息種推定とともに順調に推移している。ニホンイシガメとクサガメの遺伝子浸透に関しては雑種の確認された池がいくつか確認されており、そこの組織試料も採取することができた。ただ、岡山におけるアカミミガメの起源についての研究を行ったため、分析は遅れているが、来年度に実施できる予定である。

今後の研究の推進方策

岡山平野の陸水においてカメ相がニホンイシガメ(以降、イシガメ)からクサガメ、さらにミシシッピアカミミガメ(以降、アカミミガメ)と遷移していく様を科学的に論証するのが本プロジェクトの目的である。これまでの研究で、分布情報からはそれを支持する結果が得られている。29年度は海岸部を中心に分布調査を行い、アカミミガメが海から侵入し、分布を拡大していることを明らかにする予定である。また、残存的に残されたイシガメの生息地をまとめ、その環境特性を分析する予定である。
環境DNAを用いた研究においては、まだ作成できていないクサガメのプライマーを作成するとともに、現段階では問題のある検出精度をあげて、池に浮遊するカメのDNAの由来を検証し、実際に捕獲個体と比較する予定である。また、イシガメとクサガメの組織のmtDNAを分析し、遺伝子浸透や種の置換の様相を明らかにする予定である。
一方、遺跡の骨格残骸からの分析結果は、従来の定説とは反し、縄文時代の中国地方にもイシガメ以外にクサガメが生息していたことを示しており、それらをより深く検証していく予定である。
さらに、アカミミガメの優占は貴重とされる岡山平野の淡水魚相にとっての脅威であることから、今回の研究成果を広く一般市民に啓発するシンポジウムを開催する予定である。

次年度使用額が生じた理由

28年度に実施予定であった淡水ガメのDNA解析が、予定通りの検体数をこなすことができなかった。そのためそれに係る薬品代が次年度に使用することとなった。

次年度使用額の使用計画

最終年度である29年度は残されているカメ、特にクサガメとニホンイシガメの試料を遺伝子分析にかける予定である。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (12件)

  • [雑誌論文] Nuclear internal transcribed spacer-1 as a sensitive genetic marker for environmental DNA studies in common carp Cyprinus carpio2017

    • 著者名/発表者名
      Minamoto, T., Uchii, K., Takahara, T., Kitayoshi, T., Tsuji, S., Yamanaka, H., Doi, H.
    • 雑誌名

      Molecular Ecology Resources

      巻: 17 ページ: 324-333

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A simple method for preserving environmental DNA in water samples at ambient temperature by addition of cationic surfactant.2017

    • 著者名/発表者名
      amanaka, H., Minamoto, T., Matsuura, J., Sakurai, S., Tsui, S., Motozawa, H., Hongo, M., Sogo, Y., Kakimi, N., Teramura, I., Sugita, M., Baba, M., Kondo, A.
    • 雑誌名

      Limnology

      巻: 17 ページ: 233-241

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 正阿弥勝義の残した淡水カメの美術品から伺える岡山における淡水カメ相2017

    • 著者名/発表者名
      亀崎直樹・藤林真・佐藤寛介
    • 雑誌名

      亀楽

      巻: 13 ページ: 10-11

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Interspecific hybridization between Mauremys japonica and M. sinensis inferred from molecular approach.2017

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, D., Aizu, M., Noro, T., Yabe, T., and Hikida, T.
    • 学会等名
      The 8th World Congress of Herpetology
    • 発表場所
      Hangzhou, China
    • 年月日
      2017-08-15 – 2017-08-21
  • [学会発表] 岡山県におけるミシシッピアカミミガメの定着状況2017

    • 著者名/発表者名
      山地優奈・竹内春華・藤林真・亀崎直樹
    • 学会等名
      第5回淡水ガメ情報交換会
    • 発表場所
      東邦大学
    • 年月日
      2017-03-04 – 2017-03-05
  • [学会発表] 岡山県の陸水域で捕獲されるクサガメの甲長分布と性比2017

    • 著者名/発表者名
      藤林真・竹内春華・亀崎直樹
    • 学会等名
      第5回淡水ガメ情報交換会
    • 発表場所
      東邦大学
    • 年月日
      2017-03-04 – 2017-03-05
  • [学会発表] 環境DNAを用いた新たな水中生物相調査手法の発展2017

    • 著者名/発表者名
      源利文
    • 学会等名
      第38回 グリーンサイエンスセミナー
    • 発表場所
      福山大学
    • 年月日
      2017-01-17 – 2017-01-17
  • [学会発表] ため池におけるニホンイシガメの生息環境特性2016

    • 著者名/発表者名
      谷口真理・佐藤由佳・角道弘文・亀崎直樹
    • 学会等名
      第55回日本爬虫両棲類学会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      2016-11-26 – 2016-11-27
  • [学会発表] ニホンイシガメとクサガメの雑種の稔性について2016

    • 著者名/発表者名
      上野真太郎・亀崎直樹・佐野光彦
    • 学会等名
      第55回日本爬虫両棲類学会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      2016-11-26 – 2016-11-27
  • [学会発表] 岡山地方の淡水ガメ相の変化の様相2016

    • 著者名/発表者名
      亀崎直樹・竹内春華・宗岡映理伽・竹崎千尋・高橋亮雄
    • 学会等名
      第55回日本爬虫両棲類学会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      2016-11-26 – 2016-11-27
  • [学会発表] 草戸千軒町遺跡(福山市、中世後期)から出土した淡水カメ類の骨格残骸について(続報)2016

    • 著者名/発表者名
      日下茜・高橋亮雄・後藤康人・唐口勉三・亀崎直樹
    • 学会等名
      第55回日本爬虫両棲類学会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      2016-11-26 – 2016-11-27
  • [学会発表] Environmental DNA analysis: introduction and some examples of target species detection2016

    • 著者名/発表者名
      Minamoto Toshifumi
    • 学会等名
      The 5th Japan-Taiwan Ecology Workshop
    • 発表場所
      竜谷大学
    • 年月日
      2016-11-16 – 2016-11-16
  • [学会発表] Environmental DNA analysis provides "snapshots" of species distribution2016

    • 著者名/発表者名
      Minamoto Toshifumi
    • 学会等名
      International symposium on alternative stable states: a unifying concept in global change ecology
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2016-07-28 – 2016-07-28
  • [学会発表] 環境中のDNAからさぐる水中の生物多様性2016

    • 著者名/発表者名
      源利文
    • 学会等名
      京都産業大学バイオフォーラム
    • 発表場所
      京都産業大学
    • 年月日
      2016-06-16 – 2016-06-16
  • [学会発表] 環境中のDNA情報を用いて生物分布を知る2016

    • 著者名/発表者名
      源利文
    • 学会等名
      兵庫バイオテクノロジー研究会第35回特別講演会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2016-06-03 – 2016-06-03

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi