昨年度に行ったケニア山の氷河に生息している微生物の多様性に関する予備調査を踏まえ、氷河上での不均一性や同一地点での経年変化、また氷河周辺土壌に与える影響を評価するために、ルイス氷河において観測機器の回収、観測、サンプルの採取を行った。現地に設置したインターバルカメラの結果から、本氷河の融解による表面低下が非常に大きいことがわかり、設置期間中の2017年2月に氷河中流部の岩が露出し、ルイス氷河が上下に分断する様子を記録することができた。 DNA分析の結果、同氷河が隣国のウガンダ、ルウェンゾリ山の氷河よりも中国、天山山脈や北極、スバールバードの氷河に生息している微生物の群集構造に近いことがわかり、氷河上の微生物が全球的な粒子の移動と循環の影響を受けている可能性を示した。
|