研究課題/領域番号 |
15K07245
|
研究機関 | 札幌国際大学 |
研究代表者 |
清田 岳臣 札幌国際大学, スポーツ人間学部, 准教授 (40434956)
|
研究分担者 |
藤原 勝夫 金沢学院大学, 人間健康学部, 教授 (60190089)
国田 賢治 札幌国際大学, スポーツ人間学部, 教授 (20316003)
|
研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2018-03-31
|
キーワード | 姿勢制御 / 発達 / 一側優位性 / 静的バランス / 動的バランス / 片足立位姿勢 |
研究実績の概要 |
ヒトの下肢機能には、操作と支持という二つの機能的役割があるが、支持機能の一側優位性の発達様相については、これまで系統的な報告が認められていない。スポーツ活動を含む日常生活においては、動的バランス条件下で、姿勢を支持することが重要となる。我々は、周期的床振動法を利用して、動的バランス条件下での支持機能の一側優位性について報告した(Kiyota and Fujiwara, 2014)。本研究では、先行研究に基づき、幼児および児童を対象に、静的および動的バランス条件における安定性の一側優位性の発達様相について検討し、支持機能の左右の分化が確立する時期について明らかにすることを目的とした。平成27年度は、年中児(5歳)では、動的バランス条件、特に高周波振動条件にて、10秒以上の立位姿勢保持が困難であることが明らかとなった。 平成28年度では、年長児(6歳)での予備実験をさらに実施した。全測定を、床反力計を搭載した振動台上で行った。床反力計により、前後方向の足圧中心動揺を検出した。台は、前後方向に正弦波状に振幅2.5cm、周波数0.25、0.5、0.75、1.0、1.25、1.5 Hzで振動させた。測定条件は、床移動のない静的条件と6つの振動条件とした。幼児への負担を考慮し、3日間に分けて測定を実施した。振動条件では、被験者は両足での振動刺激を10秒間負荷され、その後片足立位姿勢を10秒間保持するよう求められた。いずれの条件も左右3試行ずつ実施した。静的条件および0.25Hzから1.0Hz条件までは、第3試行までに10秒間の立位保持が左右ともに可能であったが、それ以降では、第3試行まで5秒以上の立位保持が左右ともに不可能であった。第3試行において、静的条件および0.25Hz条件では左右の安定性に違いが認められなかった。0.5Hz~1.5Hzでは一貫して左足のほうが安定性に優れていた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度では、平成27年度計画した実験パラダイムが幼児での実施が困難であったことを踏まえて、幼児での予備実験を重ねた。本年度は、夏には保育園にて幼児での測定を、冬には小学校にて児童での測定を実施予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
予備実験の結果を踏まえると、年少・年中児では動的バランス条件での片足立位保持が難しく、課題遂行が困難である可能性がある。年長児では、1.25Hz以上の周波数以外では、立位保持が可能であった。したがって、年長児では振動周波数を限定して実験を遂行する。一方で、年齢によって、動的外乱刺激条件としての振動周波数の意味づけが異なる可能性がある。小学生児童においては、高振動周波数であっても片足立位保持できる可能性があるため、成人と同様の実験計画を実施する。ただし、幼児および児童への負担も考慮して、複数回に分けた実験の実施を行い、実験時間の短縮に努める。本年度は、夏には保育園にて幼児での測定を、冬には小学校にて児童での測定を実施予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者と利用する消耗品費としての使用が平成29年度にずれ込んだため。
|
次年度使用額の使用計画 |
共同研究者と利用する消耗品費として使用する。
|