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2016 年度 実施状況報告書

相同染色体近傍領域間相互作用によるイネ雑種弱勢の原因遺伝子単離と解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K07252
研究機関茨城大学

研究代表者

久保山 勉  茨城大学, 農学部, 教授 (10260506)

研究分担者 一谷 勝之  鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (10305162)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード生殖隔離 / 雑種弱勢 / イネ / 遠縁交雑 / 遺伝子間相互作用
研究実績の概要

本年度はHWA2領域の染色体構造を解明することを目標に研究を行った. Hwa2-1を持つP.T.B. 7から全DNAを抽出し,PacBio RS IIによるシーケンス解析を委託し得られた4Gbpの配列を用いてncbi-blast-2.2.18+ (NCBI) によりデータベースを作成と相同性検索を行った。まず、Hwa2-1の存在する領域を絞り込むのに用いたDNAマーカーKGC11M2とKGC11M12の日本晴を鋳型に増幅される配列を用い、HWA2領域のリード(シーケンサーから出力される個々の配列)を得た。さらに,得られた1つのリードの後半10kbpを用いて相同性検索を行った。相同性検索によってリードどうしを連結しながら配列のつながり(Contig)を構築し、Contigを伸ばした。今回作成したデータベースではBLAST検索によって日本晴に対応するリードを平均して4から5個検出することができた。トランスポゾンなどの配列が含まれる場合,相同性検索で選ばれたどのリードが本当にcontigを形成 するのか判断するのが困難であったが,10kb程度の長さを用いて相同検索を行い,全長にわたる配列の相同性を確認することでより確実なContigの形成を試みた。今回の実験の相同性検索で選ばれるリードは10kb以上であることが多く,中には20kbを越えるものも少なくなかった。それでも相同性のある配列が存在しない場合にはそれ以上Contigを伸ばすことが出来ず, KGC11M2とKGC11M12の間は4つのContigに分かれた。一部の領域では日本晴の配列がP.T.B.7でみつからず,また,逆に,P.T.B.7から得られたリード配列の中には日本晴に存在しないものもあった。これらの結果はHwa2-1の染色体領域と日本晴の該当する領域とは構造に大きな違いがあることを示唆するものであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

HWA2領域の配列にギャップがあり、1つの連結した配列として明らかにすることができなかった。また、今年度HWA1については解析に着手することができなかった。

今後の研究の推進方策

今年度は各受託解析会社がシーケンサーの新製品PacBio sequelの2セルを用いてHwa1-1を持つA.T.D.14の全DNAを8Gbp程度解読し、Hwa1-1染色体領域の構造決定を行う。得られた配列をHWA2の場合と同様にBLASTデータベースを構築し、相同性検索を実施してHwa1-1領域のContig配列を得る。得られたHwa1-1とHwa2-1の領域のContig配列は、PacBioのSMRT Sequencingによって得られたものであるため90%程度の精度しかない。そのため、得られたContig配列に対してIllumina のHi-seqで出力されたshortリードをマップし、より精度の高い配列を得る。精度の高い配列が得られたら自動アノテーションを行い、配列中に含まれる遺伝子の推定を行う。特に、Hwa1-1については日本晴におけるゲノム配列の70kb程度にまで絞り込まれているため、アノテーションされた遺伝子について発現パターンや機能を考慮して雑種弱勢の原因遺伝子であるかどうかを検討する。

次年度使用額が生じた理由

次世代シーケンサーPacBioの新型機種が稼働して受託解析を実施するという知らせがあってから、実際には動かなかったため受託解析を実施できなかった。新型機種は1セル当たりの解読出来る配列の量が4倍となっているのに価格としては倍になっていないため、半額以下で解読を実施できる。そのため、解析を先送りにして2017年度に実施する。

次年度使用額の使用計画

2017年度なるべく早い段階で、2016年度使用しなかった金額を用いて今年度まとめてHwa1-1の塩基配列解読を実施する。ライブラリー構築に7万円、2セルによる解読に60万円かかるため、昨年度繰り越した金額を上回る支出がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] PacBioシーケンサーリードによるイネ雑種弱勢原因遺伝子HWA2領域contig作成の試み2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木 大和, 一谷 勝之, 渡部 信義, 久保山 勉
    • 学会等名
      日本育種学会第131回講演会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2017-03-30 – 2017-03-30

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公開日: 2018-01-16  

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