コムギにおいて、多重遺伝子にコードされるグリアジン分子種の特徴づけを目的とした。コムギの種子貯蔵タンパク質の中で、グリアジンは特にコードする遺伝子のコピー数が多く、一部がヒトのアレルギーやセリアック病の原因となる。パンコムギの染色体異数体系統の種子からグリアジンを抽出し、二次元電気泳動により比較した。グリアジンは70個に分離でき、それぞれをコードする遺伝子座を同定した。その中で、セリアック病の原因となるグリアジンの遺伝子座が欠失している系統を見出した。また、このグリアジンに特異的な抗体を作製した。これらの系統や抗体を用いることで、低アレルゲン小麦作出へ応用できると考えられた。
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