研究課題/領域番号 |
15K07263
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
坂本 知昭 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (00345183)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ブラシノステロイド / 情報伝達 / イネ |
研究実績の概要 |
全長EIZ1およびC末端を欠失させたEIZ1をHATタグとの融合タンパク質の形で過剰発現させた形質転換体を作出し解析を行った。その結果、プロテオソーム依存的なタンパク質分解に関わっていると考えられるC末端を欠失させたEIZ1の過剰発現体では組換えタンパク質を安定的に抗HAT抗体によって検出することができたが、全長EIZ1の過剰発現体では、プロテオソーム依存的なタンパク質分解阻害剤MG132処理やブラシノステロイド処理等の条件下でも、組換えタンパク質を抗HAT抗体により検出することができなかった。導入したHAT-EIZ1遺伝子の発現量を内生のEIZ1遺伝子の発現量と区別して定量した結果、供試したいずれの系統でも導入遺伝子の発現量は内生遺伝子の発現量の10倍以上あることが確認されたことから、EIZ1タンパク質は遺伝子組換えにより過剰発現させた場合でも、イネ植物体内で速やかに分解されていると考えられた。MG132の処理濃度や処理方法について様々な検討を加えても、EIZ1タンパク質の分解を抑えて、抗HAT抗体により検出することができなかったことから、イネ植物体からタグを利用して精製したEIZ1タンパク質ではなく、大腸菌で発現、精製したEIZ1タンパク質を用いて解析を進めることにした。これまでにGST-ELF1タンパク質によるEIZ1タンパク質のin vitroユビキチン化を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画ではイネ植物体体からタグを利用して精製したEIZ1タンパク質を利用するとしており、c-mycタグとの融合タンパク質の形でEIZ1を過剰発現させた形質転換イネを準備していたが、平成27年度は組換えタンパク質を抗c-myc抗体で検出することができなかった。本年度HAT-EIZ1過剰発現体を詳細に解析したことでEIZ1タンパク質はイネ植物体内で速やかに分解されていることが確認できた。これは当初予期していなかったことであるが、平成27年度の結果がアーティファクトではないと確認できたことから、別の手法を用いて研究を進めるよう決断できたことは大きな収穫であったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
イネ植物体体からタグを利用して精製したEIZ1タンパク質を用いて行う予定であった実験は、大腸菌で発現、精製したEIZ1タンパク質を用いて解析を進める。平成27年度に作出し系統選抜を終えたHA-ELF1形質転換体とelf1-1突然変異体を使い分けながらELF1とEIZ1の関係性を調べるとともに、EIZ1以外の標的候補タンパク質についても相互作用等の解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた、イネ植物体からのHATタグを利用したEIZ1タンパク質の精製等の実験が行えなくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
大腸菌で発現、精製したEIZ1タンパク質を用いた実験を行うために使用する。
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