ブラシノステロイド情報伝達因子ELF1の機能欠失突然変異体elf1-1とブラシノステロイド受容体の機能抑制突然変異体d61-1の二重変異体が示した表現型は両者が同一の情報伝達経路上にないことを示した。マイクロアレイ解析では、elf1-1と野生型で発現量に差があった遺伝子の過半はd61-12(d61-1のアリルでelf1-1と同程度の形態変化を示す)と野生型で同様の変化を示さなかった。特にelf1-1とd61-12で対照的な発現量の変化を示した遺伝子にはストレス関連遺伝子が多く、そのほとんどがジャスモン酸処理により発現が誘導され、エチレン処理で誘導される遺伝子も多く認められた。これら結果からELF1は既知の経路とは異なるブラシノステロイド情報伝達経路で、ジャスモン酸やエチレンなどとの交互作用を介してストレス応答に関わっている可能性があると考えられた。
|