食味に関与する水稲玄米のタンパク質含有率に関するQTL効果の実証および遺伝子同定を試みた。第2染色体上のQTL(qPC2)でコシヒカリ型アリルを有する準同質遺伝子系統(NIL)は原品種に比較して、タンパク質含有率を約0.5%低減する効果が認められ、千粒重が重い傾向にあった。戻し交配材料とマイクロアレイ解析で、候補領域を下流側(30Mb付近)に絞り込んだ。主要なタンパク質画分のグルテリン、プロラミンの構成比に大きな差は認められなかった。以上から、タンパク質含有率に関する主要なQTLは第2染色体30Mb付近に存在し、粒を大きくして相対的にタンパク質含有率を低下させる効果を示すことが示唆された。
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