本研究者はこれまで、ナガイモ塊茎の頂端部に、重力方向へ沈降するアミロプラストが局在することを発見した。本研究は、この沈降性アミロプラストを起点とするヤムイモ類塊茎の形状成立機構を理解することを目的として実施した。多面的な微細構造解析により、塊茎頂端部の沈降性アミロプラストにおける数、量および分布が、塊茎形状差異の発現に寄与している可能性が示された。更に、塊茎頂端部おけるオーキシンやシグナル伝達物質候補であるCaも塊茎の重力感受・屈性と形態形成に関与していることが示唆され、塊茎形状成立機構の理解を包括的に進める上で有意義な知見が得られた。
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