【ヨシの資材化(燃焼灰作成)の検討】小型器での可溶性ケイ酸が最も多く得られる燃焼条件を明らかにした (H27-H30)。大型器では、原料確保困難のため充填量の違いによる影響のみ検討した。充填量の違いにより器内温度、燃焼時間、全ケイ酸に占める可溶性ケイ酸の割合が変動した(H30)。 【水稲への施用技術の検討】育苗期施用で灰中の炭素量や全ケイ酸の割合が異なる灰を可溶性ケイ酸は同量に施用したところ、ヨシ、籾がら、稲わら、およびススキいずれの灰施用でも無施用より苗のケイ酸吸収量が多くなり、原料によってその多くなる程度が異なった(H28-R1)。また、加温出芽育苗に根上がりは覆土増量により改善され、無加温出芽育苗では根上がりはほとんどみられなかった。さらに、化学的ケイ酸質肥料であるシリカゲル肥料と各燃焼灰で同量の可溶性ケイ酸を施用して比較したところ、生育およびケイ酸吸収量ともにシリカゲル肥料と同等であり、施用した可溶性ケイ酸の苗利用率は各燃焼灰でシリカゲル肥料より高くなる傾向であった(H30-R1)。すべての苗施用試験において施用量が多くなると生育低下する条件があり、ヨシ灰適正量は可溶性ケイ酸量で苗箱あたり30g(現物量170g)程度であり(H27-R1)、ヨシ以外の燃焼灰でもほぼ同様であった(H29-R1)。本田施用(基肥処理)では、各燃焼灰施用とシリカゲル肥料施用は無施用に比べて、初期の生育が向上しケイ酸吸収量が増加した。育苗時施用と組み合わせるとさらに増加した(H29-R1)。 【刈取時期の検討】次年度利用する養分の貯蔵を終えた9月中旬以降の刈取が適正であった(H27-R1)。 【ヨシのケイ酸資源評価と資源マップの作成】最上川、赤川の各流域に生息するヨシのほとんどが、倍数性は8か10であり、土壌中の養分量が多いほど生育量が多い傾向であった(H27-R1)。マップは今後作成予定である。
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