寒地型および暖地型マメ科牧草を対象にタンニンの化学的特徴と反芻動物の第一胃内タンパク質分解性との関係を調査した。16草種のマメ科植物では縮合型タンニン含量は0.0~10.3%と広く分布した。タンニンによる第一胃内におけるタンパク質分解の抑制作用は、寒地型マメ科牧草ではLotus corniculatus、暖地型マメ科牧草Desmodium intortumで顕著に認められたが、その他のマメ科植物では抑制作用が弱いあるいは抑制が認められなかった。これらの草種ではタンニン画分により葉部のタンパク質の溶解性を低下させていることで、第一胃内微生物によるタンパク質分解を抑制していることが明らかとなった。
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