都市緑化に用いられる植物は,厳しい環境ストレス条件下で生育する必要があるため,利用できる植物種が限られている.ガクアジサイは日本の固有種であり,日本には未利用のアジサイ遺伝資源が豊富に存在する.本研究では,アジサイの都市緑化植物としての利用場面の拡大を目的に,伊豆諸島において強光ストレス耐性をもつ遺伝資源の探索を行った.栽培試験の結果,八丈島や新島などの伊豆諸島から導入されたいくつかの系統で強い強光耐性が認められた.また三宅島において,自生地の環境から強い強光ストレス耐性に加えて,貧栄養ストレスや乾燥ストレスなどの環境ストレス耐性を持つことが予想される個体が合計7箇所で発見された.
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