園芸作業と高齢者の認知機能低下抑制の関係を調べるため、健常高齢者を対象に播種やかん水時の前頭極血流変化を調査した。前頭極は一度作業を学習すると賦活しない。しかし研究では、園芸作業中、前頭極の賦活は一部領域を除いて持続した。人は園芸作業中、視覚と体性感覚の2つの外的刺激に注意を向ける。また、園芸作業中は次の動作想起や適切な動作判断のため内的思考が常に働く。これらの機能を前頭極が担うため、園芸作業中に賦活が続くと考えられた。さらに、健常高齢者が3か月間かん水作業を行うと、前頭極一部領域の血流低下抑制と活動パフォーマンス向上がみられ、園芸が前頭極を刺激し、認知機能低下抑制につながる可能性が示された。
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