ファレノプシスのGAによる花成誘導機構を明らかにするために,RNA-Seqによる網羅的な遺伝子発現解析を行った。GAを投与すると頂芽において,SPL,AP2,FT,AP1などの花成関連遺伝子と,GA20ox,GA3ox,GA2ox,GID1,DELLA等のGA生合成・シグナル伝達遺伝子が大きく変動した。茎頂部のPhFTの発現量は,GA投与前に比べ処理開始7週目に840倍に増加し,ORAP13は8.3倍に増加した。したがって,GAによる頂芽の花成誘導では,茎頂部においてPhFTが著しく発現し,それにつづいてORAP13の発現量も高まるという特徴的な機構の存在が示された。
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