気候温暖化で発生が増加している落葉樹の発芽不良対策のため、光利用の可能性を検討した。ニホンナシを対象に、3カ年にわたり、秋の休眠導入期から開花期にかけて青色光、赤色光、遠赤色光をLED光源により夜間連続照射し、花芽の休眠や開花に及ぼす影響を検討したところ、露地栽培樹に対し自発休眠覚醒期まで1または5umol/s/m2で赤色光を照射すると葉原基を含む花芽の割合が増加する傾向を認めたが、検討の範囲ではそれ以上の効果は認められなかった。また光照射期間中の遺伝子発現解析の結果から、光処理により休眠の促進や開花の抑制などが起こるが、光の質や強度によりその機作が異なることが明らかとなった。
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