菌類ウイルスの同定はウイルスの多様性や進化の理解に大きく寄与するが,うどんこ病菌(子嚢菌類)やさび病菌(担子菌類)のような活物寄生菌ではウイルスの存在は長らく不明であった。 本課題では、赤クローバーうどんこ病菌から二本鎖RNAを取得し,次世代シークエンサーによりウイルス叢解析を行った。その結果,赤クローバーうどんこ病菌に9種以上の新規トティウイルスの存在が明らかになった。さらに,類似するトティウイルス様配列をマメ科のさび病菌の転写物ライブラリーに見いだした. これらの成果は,トティウイルスがうどんこ病菌とさび病菌の間を嘗て水平伝搬し,それぞれの宿主と共進化したとことを示唆している.
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