イネの病害抵抗性研究は、世界の約30億人の主食の収量増加に直結する重要な研究であるが、その病害抵抗性誘導機構に関しては、未解明な部分がいまだに数多く存在する。本研究により、イネ病害抵抗性機構に重要な植物ホルモンであるジャスモン酸のシグナルを制御する重要なタンパク質を2つ(JMTF1,OsSRO1a)を見出し、JMTF1は正の制御因子、OsSRO1aは負の制御因子として機能することを明らかとした。また、JMTF1に関しては、他の植物ホルモンであるオーキシンのシグナルも負に制御していることが明らかとなった。これらの研究により、イネの複雑なジャスモン酸シグナル伝達機構の一端を解明することができた。
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