研究課題
環境ストレスは農業生産を制限する最大の阻害因子であるため、その応答機構を解明することは環境ストレスを克服する技術を開発するために重要である。中でも酸化ストレスは多くの環境ストレスにおいて併発しているため、その実体解明は様々な環境ストレスの理解につながり、さらには農業現場で問題となっている幅広い環境ストレスに対する克服法開発に有効な手段をもたらすと考えられる。申請者はこれまでに酸化ストレスに関与するシグナル分子の同定とそのシグナル伝達系の概略を明らかにしてきた。本研究課題ではシグナル分子を植物がどのように受容しているかを明らかにすることを目的に、「酵母Two-hybrid系を用いたHSFA1-HSP70/90相互作用に対するRSLVの影響」、「GPCR様受容体欠損株を用いた逆遺伝学的解析」、の2つの実験を行った。「酵母Two-hybrid系を用いたHSFA1-HSP70/90相互作用に対するRSLVの影響」については、実験系の構築は計画通りに研究を進めることができた。しかしながら本実験では、予想された結果を得ることができず、作業仮説として設定した、シグナル分子が直接HSFA1-HSP70/90相互作用を阻害する、ということが否定された。現在は別のシグナル伝達経路を仮定し、その可能性を検討している。「GPCR様受容体欠損株を用いた逆遺伝学的解析」についても実験計画とおり、実験系を構築することができた。その系を用いて実験を進めた結果、酸化ストレスシグナル受容にGPCR様受容体が関わっていることを指示する結果を得ることができた。これらの研究の一部をまとめ、論文を2報出版することができた。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件)
InTech
巻: 未定 ページ: 未定
Photosynthesis Research
巻: 131 ページ: 41-50
10.1007/s11120-016-0295-1