研究課題/領域番号 |
15K07330
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
上地 奈美 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 主任研究員 (40507597)
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研究分担者 |
徳田 誠 佐賀大学, 農学部, 准教授 (60469848)
湯川 淳一 九州大学, 農学研究院, 名誉教授 (80041622)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | タマバエ科 / Asphondylia / 栽培ブドウ / バーコーディング / 生活史 / 寄主範囲 / 果樹害虫 |
研究実績の概要 |
福島県で新規発生したブドウミタマバエに関して野外調査ならびに分子解析を行った。本種は福島県の少なくとも3地点で発生しており、ブドウ8品種が加害されることを確認した.これらの結果は福島県から特殊報として公表された。また、雌成虫は6月上旬のブドウの開花期には飛来して幼果に産卵しているのを確認した。越冬寄主からブドウ園地に飛来した雌成虫1個体の捕獲に成功し、体内に残存する植物DNAを解析して越冬植物の解明を試みた。しかし、得られた配列はデータベースに登録されている候補植物の配列にはヒットしなかった。今後、異なるプライマーセットを用いたり、他遺伝子領域を解析することによって越冬寄主の候補を検討し、本種の寄主範囲および生活史の解明に取り組む。 一方、栽培ブドウ寄生果実から得られた複数個体のバーコーディング領域の配列を決定し、比較したところ、複数種がブドウの果実を利用している可能性が示唆された。今後、解析個体数をさらに増やし、複数種の寄生状況を調査することで、複数種の同一寄主植物の利用実態を解明することも今後の課題である。 なお、ブドウや果樹、作物を加害する害虫タマバエ類や近縁種(ブドウトックリタマバエ、ハリオタマバエ属のダイズサヤタマバエ、キヅタミタマバエ、ボロボロノキメタマバエ、トウガラシサヤタマバエ等、米国のブドウを加害する種)に関して、飼育実験による発育特性の解明、分子解析や生態調査に基づく生活史の解明や新種記載等を行った。
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