研究実績の概要 |
アーバスキュラー菌根(AM)菌の外生菌糸から浸出されるACP活性の検出とその低リン条件への応答の解明を目的とした。ネギ(Allium fistulosum L.)にAM菌Gigaspora margarita, Claroideo glomus claroideum, Ambispora leptoticha, Scutellospora cerradensis, Ambispora callosa, Rhizophagus intraradices, Acaulospora longula, 及びGigaspora roseaを接種した区と非接種の区を設け、低リン区と高リン区を設け、菌根区画と菌糸区画に分けられた2コンパートメントポットで生育させた。それぞれの区画から土壌溶液を採取した。アマ(Linum usitatissimum L.)毛状根にR. clarusを接種し、in vitroで培養し、菌糸区画にリン酸二水素カリウム、フィチン酸、グリセロリン酸及びATPを加えた。これらの試料をSDS-PAGEで解析した。菌糸区画の培地を回収し、外生菌糸表面および浸出された酸性ホスファターゼ活性を測定した。接種区の地上部リン吸収および乾物重は非接種より大きかった。菌糸区画の土壌溶液中の酸性ホスファターゼ活性には菌種間差が認められた。低リン区の酸性ホスファターゼ活性が高リン区より高い菌種が数種認められた。in vitro培養から得られた外生菌糸の浸出物中の酸性ホスファターゼ活性にはリン酸化合物間で差が認められなかった。
|