研究実績の概要 |
Polyaminepakカラムを用いたHPLC分析により、プトレッシン生合成酵素であるSpeAB, SpeC, SpeF欠損株の菌体内には、保持時間9分のカダベリンのピーク以外に、野生株には見られない保持時間17分のピークが観察された。上記欠損株はアミノプロピル基転移酵素であるSpeEは正常であるため、このピークは、プトレッシンよりメチレン基が1つ多いカダベリンにアミノプロピル基が転移されたアミノプロピルカダベリンである予想した。 上記欠損株をさらにリジンデカルボキシラーゼであるLdcC, CadA欠損にしたところ17分のピークは消失し、プラスミドでldcC, cadA遺伝子を相補したところ17分のピークが再び出現した。また、SpeAB, SpeC, SpeF欠損株をSpeE欠損にしたところ17分のピークは消失し、プラスミドでspeE遺伝子を相補したところ17分のピークが再び出現した。以上は、17分のピークがアミノプロピルカダベリンであることを強く示唆する結果である。 アミノプロピルカダベリンは市販されておらずアミンファーマ研究所より供与を受けHPLC分析に供したところ保持時間17分のピークが観察された。 さらにGC-MS分析により、SpeAB, SpeC, SpeF欠損株の菌体内にアミノプロピルカダベリンと同じ保持時間にピークを確認し、そのマススペクトルをアミノプロピルカダベリンの標準品のものと比較したところ、極めてよく一致した。
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