我々は、伊豆温泉で発見された好熱菌Thermus thermophilusのグルタミン酸脱水素酵素GDHがアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼのホモログAPRThとヘテロ複合体を形成していることを発見し、さらにこの複合体がロイシンやアデノシン一リン酸AMPによる活性化を受けることを明らかにした。これまで哺乳類以外の生物由来のGDHにアロステリック調節は存在しないと考えられてきたが、本研究は哺乳類以外の生物由来のGDHにも類似した活性調節が存在することを初めて示した。今後多くの生物におけるGDH調節の研究が行われ、それらが複雑なヒトGDHの調節機構の解明に貢献することが期待される。
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