• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

高温proteolysisによる異常プリオンタンパク質コア構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K07392
研究機関大阪大学

研究代表者

古賀 雄一  大阪大学, 工学研究科, 准教授 (30379119)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードPrP / Subtilisin / 耐熱性酵素
研究実績の概要

Tk-subtilisinによるプリオンの分解条件を決定するため、酵素濃度や反応温度を変えて、羊のプリオン病であるスクレイピー感染型マウス脳ホモジネート (RML株)を用いて分解実験を行った。60℃で1時間処理したところ、Tk-subtilisinによる分解産物にのみ、PrPのC末端を含む11kDa以下の断片が検出された。この中間体は非感染脳ホモジネートを分解した際にも検出されたことから、Tk-subtilisinがその活性の強さからPrPを非特異的に分解した結果生じたものである可能性が示唆された。さらに、反応時間3条件、酵素濃度2条件の組合せを検討した。酵素分解産物中のPrPを確認するため、抗PrP抗体である6D11を用いてウエスタンブロッティングを行った。この結果、60℃においてはPK、Tk-subtilisinともにPrPScの分解が進まないことが分かった。80℃以上ではTk-subtilisinによるPrPScの分解が進んでいることが確認できたため、次にマウスの神経芽細胞であるN2a細胞を用いた感染性試験を行った。細胞に酵素分解物を反応させたところ、熱処理のみのものでは接種8日後に細胞内にPrPScの蓄積が確認されたのに対し、その他の条件ではほとんどPrPScのシグナルが確認出来なかった。露光時間を長くすると、20μg/mg-protein, PK処理の条件においてはPrPScが少量確認されたのに対し、同濃度のTk-subtilisin処理ではPrPScが検出されなかった。また、100℃のPrP分解物を感染させた細胞においてはPrPScが蓄積されている条件が見られず、定量的な評価が出来ないことが分かった。これらの結果から、20μg/mg-protein, 80℃の条件においてTk-subtilisinによる分解が有意に感染能に影響を与えているということが示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)

  • [学会発表] βサンドイッチドメインを用いた結合分子骨格の検討2017

    • 著者名/発表者名
      来住秀憲、杉田慎之介、大政健史、古賀雄一
    • 学会等名
      第17回日本蛋白質科学会
  • [学会発表] 超好熱古細菌由来プロテアーゼTk0076の成熟化機構解明を目指したプロペプチドの探索2017

    • 著者名/発表者名
      田口萌恵、大政健史、古賀雄一
    • 学会等名
      第17回日本蛋白質科学会
  • [学会発表] Construction of large-scale expression system by suppressing the maturation of Tk-SP from hyperthermophilic archaeon2017

    • 著者名/発表者名
      前川大樹、古賀雄一、大政 健史
    • 学会等名
      第49回化学工学会秋季大会
  • [学会発表] Subtilisin-like proteases from a hyper-thermophilic archaeon and their application2017

    • 著者名/発表者名
      古賀雄一
    • 学会等名
      BIOTEC-OSAKA Univ. Special Seminar
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 超好熱菌由来酵素の構造機能相関研究とその応用2017

    • 著者名/発表者名
      古賀雄一
    • 学会等名
      第69回日本生物工学会大会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Protein engineering on a Subtilisin-like protease from a hyper-thermophilic archaeon2017

    • 著者名/発表者名
      古賀雄一
    • 学会等名
      The 29th Annual Meeting of the Thai Society for Biotechnology and International Conference
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 生物資源を活用した研究事例2017

    • 著者名/発表者名
      古賀雄一
    • 学会等名
      生物資源活用の世界展開~グローカルバイオテクノロジー~シンポジウム
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi