研究課題/領域番号 |
15K07393
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
神崎 浩 岡山大学, その他の研究科, 教授 (60183787)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | β-glucosidase / GlcNAcase / TMG-chitotriomycin / PNP-TMG / 基質認識機構 / 糖質加水分解酵素 |
研究実績の概要 |
起源の異なるβグルコシダーゼのうち、精製が未実施であった、酵素について,すべて電気泳動的に単一にまで精製をすることができた。この結果得られた10種の精製酵素を用いて,加水分解活性,アスコルビン酸への糖転移活性に関する、基質特異性の精査を行ない,同じGHファミリーに属していても、基質特異性の認識の差により,いくつかのグループに細分類できることを明らかにした。さらに,このグループの代表例3種について、酵素反応のKinetics解析も行なった。 昆虫ハスモンヨトウガ蛹由来のβ-N-acetylglucosaminidaseについて,PNP-trimethylglucosaminiumがどういう作用を示すか検討したところ,加水分解はほとんどされず,本酵素のPNP-β-N-acetylglucosaminide加水分解反応の阻害剤となることが判明した。その阻害活性は,TMG-chitotriomycinほど強くはないことも明らかにできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の目標のうち,【2-1】起源の異なるGlcaseの糖転移活性、加水分解活性の基質特異性の精査についてはほぼ100%達成でき,【1-1】既存糖質加水分解酵素のPNP-triethylglucosaminium 分解活性能の確認はほぼ達成,できていることから、ほぼ順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
PNP-trimethylglucosaminium が昆虫由来のGlcNAcaseの阻害剤として作用することが判明したことから、この基質を資化する微生物を発見できれば、新規酵素の発見につながることが大いに期待できる。従って,既存のGlcNAcaseの中に本基質を加水分解できる酵素を引き続き探索するとともに,本基質を資化できる微生物を単離することを試みる。その際には、本基質を用いた集積培養,涵養培養により実験を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度に予定していた,微生物の資化実験がその他の実験との兼ね合いで実施できず,その実験に必要な試薬類の購入を28年度に持ち越したため。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度に資化実験を実施する際に購入する。
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