研究課題/領域番号 |
15K07407
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
川出 洋 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20291916)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ジテルペン環化酵素 / Euphorbia |
研究実績の概要 |
初年度の研究計画に基づき,ユーフォルビア科植物のハナキリンとミルクブッシュの2種の植物から茎頂を含む地上部をそれぞれサンプリングしてRNA抽出を行った。バイオアナライザーによるRNA純度チェックを行い,定法に従い次世代シーケンス(pair-end法)でRNAseq解析を行った。両植物サンプルからRaw Read数8千万以上を確認し,contig数として5万以上を得た。BLAST解析とHMMER解析よりテルペン生合成にかかわるcontigを検索し,ハナキリンからは約40 contig,ミルクブッシュからは約20 contigの情報を得た。 ハナキリンからはテルペン環化酵素様のタンパク質をコードし,なおかつ翻訳アミノ酸数が500以上のペプチドをコードする遺伝子を7種,ミルクブッシュからは同様のペプチドをコードする遺伝子4種選抜し,これら11種類のcDNAのクローニングを行った。 現在,順次大腸菌による異種組換えタンパク質生産の実験に移行しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の遂行上新たにEuphorbia科植物を選抜して次世代シーケンサに供試したところ,これまでデータベースが整い,次世代シーケンサで得た情報よりも,Euphorbia科植物特異的なジテルペン環化酵素様遺伝子が多数取得できたことは,2年目以降に実施する機能未知ジテルペン環化酵素の構造と機能を解析する上での最初のハードルを突破できた。これまでの様々な(ジ)テルペン環化酵素の遺伝子クローニングと組換えタンパク質生産,標識化技術と多次元NMRを駆使した構造解析法は当該研究チームでは着実に実績を上げてきたので,今後も順調に研究が前進すると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,大腸菌および酵母菌を用いた組換えタンパク質の生産と酵素反応のチェック,酵素反応生成物の確認と完全C-13標識化,多次元NMRによる構造解析を進めることになる。標識化に必要な原材料(組換え酵素および出発原料の標識メバロン酸)は,初年度において既に大量に準備されている。
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次年度使用額が生じた理由 |
(当初)初年度は直接経費(1,500,000円)を計上したが,研究の実施過程において成果発表を行わずに実験消耗品を購入するなどの計画変更に伴い,旅費として計上した20万円を物品費に充当したため,次年度使用額が生じた。残額は次年度と合算して適正に使用する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
当初配分額(1,500,000円)1.3%程度の残金(2万円余)を平成28年度の経費(直接経費1,100,000円)に組み込み,適切に使用する予定である。
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